個別リターン歪度
factor.formula
個別リターン歪度を計算する式は以下の通りです:
CAPM回帰:
ファマ・フレンチ3ファクターモデル回帰:
ここで:
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指定された時間窓における株式iの個別リターン歪度で、残差分布の非対称性を反映します。
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時点tにおける株式iのリターンで、通常は対数リターンとして表現されます。
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時点tにおける無リスク利子率で、通常は短期国債の利回りで近似されます。
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株式iの切片項で、株式iの平均超過リターンを表し、理想的にはゼロに近い値になるはずです。
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CAPMモデルにおける株式iの市場リスクファクターで、市場リターンの変化に対する株式リターンの感応度を測定します。
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時点tにおける市場リターンで、通常はCSI 300指数やS&P 500指数などの広範な指数のリターンで近似されます。
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時点tにおける株式iの残差項で、モデルでは説明できない株式iの個別リターンを表し、システマティックリスクに加えて株式i固有のリスクファクターとみなすことができます。
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時点tにおける市場ファクターで、すなわち、市場ポートフォリオのリターンであり、ファマ・フレンチモデルではCAPMモデルと同様に定義されます。
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時点tにおけるサイズファクターで、小型株ポートフォリオのリターンと大型株ポートフォリオのリターンの差を表します。
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時点tにおけるバリューファクターで、帳簿価額対市場価額比率が高い株式ポートフォリオのリターンと、帳簿価額対市場価額比率が低い株式ポートフォリオのリターンの差を表します。
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個別歪度を計算する際に使用される時間窓のサイズ、すなわち残差系列の長さ。
factor.explanation
個別リターン歪度は、株式リターンのうち、市場リスク、規模リスク、バリューリスクなどのシステマティックリスク要因では説明できない固有の部分の歪度を測定します。このファクターは、株式の残差リターンの分布の非対称性を捉えます。個別リターン歪度が高いほど、残差分布は右に歪んでおり、逆もまた同様です。実証研究では、個別リターン歪度が将来の株式リターンと負の相関があること、つまり、個別リターン歪度が高い株式ほど、予想される将来のリターンが低くなる傾向があることが示されています。これは、直感に反するローリスク・アノマリーです。