リターンモメンタムの一貫性
factor.formula
収益モメンタムの一貫性(IDC):
ここで:
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過去12ヶ月間の累積リターンで、直近1ヶ月のリターンデータを除外したものです。この指標は、中長期的なリターントレンドを捉えることを目的としています。直近1ヶ月のリターンデータを除外することにより、短期的な変動の影響を軽減し、株式の長期的なモメンタムをより明確に反映させることができます。
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$PRET$を計算するために使用される時間枠における、下落した取引日の割合です。この指標は、この期間における株価の下落頻度を反映し、負の情報の蓄積の程度を示す指標です。
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$PRET$を計算するために使用される同じ時間枠における、上昇した取引日の割合です。この指標は、この期間における株価の上昇頻度を反映し、正の情報の蓄積の程度を示す指標です。
factor.explanation
このファクターの核となる考え方は、行動ファイナンスにおける「過小反応」という現象に由来します。著者らは、少数の大きな株価変動と比較して、投資家は頻繁だが小さな株価変動の連続に対して過小反応する傾向があると考えています。具体的には、過去期間の累積リターンがプラス($PRET > 0$)であり、下落した取引日の割合が上昇した取引日の割合よりも大幅に少ない場合($%neg < %pos$)、これは株価が上昇し続けており、強いモメンタムを示していることを意味します。逆に($PRET < 0$)で、下落した取引日の割合が上昇した取引日の割合よりも大幅に大きい場合($%neg > %pos$)、これは株価が下落し続けており、強い逆モメンタムを示していることを意味します。ファクター値が低い(大きな負の値)場合、価格トレンドと取引日の方向性がより一致しており、投資家がより明白に反応していることを意味し、買われすぎまたは売られすぎの状態である可能性があり、将来的に反転する可能性が高いです。逆に、ファクター値が高い(大きな正の値)場合、価格トレンドと取引日の方向性が一致していないことを意味し、投資家が価格に過小反応している可能性があり、将来的にモメンタム効果が発生する可能性があります。したがって、このファクターは逆張り指標と見なすことができ、低いファクター値は反転を示唆し、高いファクター値はモメンタムの継続を示唆する可能性があります。